コラム/セミナー報告

相続の税法と民法は混同していませんか?

相続を語るうえで、税法と民法を混同している方を見かけます。テキストで学習する中では明確に分けて学習するように記載していないことが多いように感じます。

例えば、「3年以内にもらった財産は相続時のもち戻し」ということは皆さんご存知ですね。

それは相続税の計算上【相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算する】ということです。つまり3年以内に贈与を受けた財産は、相続税の計算上それも加算して税を計算するということです。

遺産分割の際には(民法903条 特別受益)に
【共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする】
つまり、生前に贈与を受けたものはその時期を問わず、もらった際の価額を加え遺産分割する。相続財産を先にもらったものとしてそれも加えて遺産分割するということです。

民法上の記載は上記のように曖昧のため、揉める原因にもなりかねません。また他の相続人が異論を唱えなければ特別受益として問題になることもありません。
最近は、いろいろなところで相続に関するセミナー等が開催されており、一般の方が情報をとる機会が増えており、また中途半端な知識となってしまうこともあります。
私たちは正しい知識を持って相談に応じる必要があります。

 

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